左ぎっちょ

舞楽の中に「打球楽(だきゅうらく)」という4人で舞う曲があります。この舞では、「球子(きゅうし)」という球状のものと、「毬打(ぎっちょう)」という先の曲がった杖状のもの(ホッケーで使用するスティックのようなもの)を使います。曲後半になると、懐から「球子」を取り出して、その回りを「毬打」で打つ仕草を繰り返します。この毬打は通常右手で持ちます。

あるとき、高貴な人がこの舞を舞った際、左手に毬打を持って舞いました。しかし高貴な人であるため、この間違いを指摘することなく、舞い終えたといわれ、これを「左手に毬打を持って舞った」、転じて「左毬打」、「左ぎっちょ」という言葉ができたといわれています。