氷川通信

年間の祭典 2月 節分祭

 

2月の節分の日には、豆をまいて鬼を追い払い、福を迎える節分祭が日本全国で行われます。そもそも節分とは、季節の変わり目にあたる二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前日のことを指しています。旧暦では立春が正月節にあたるため、立春の前日をとくに重視しました。そこで、この日にそれまでの災厄を祓い清め、清々しい気持ちで立春を迎えようとする神事が行われるようになったのです。

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年間の祭典 2月 祈年祭

 

毎年2月17日、全国の神社で「祈年祭(きねんさい)」が行われます。祈年祭は「といごいのまつり」とも呼ばれます。「とし」とは稲のことであり、農業が始まる前にその年の稲の稔りの豊作を願う豊穣祈願祭となります。

祈年祭の歴史は古く、天武天皇4年(675年)に畿内を中心に行われたとされ、大宝元年(701年)の大宝律令(日本古代の基本法)制定後、日本全国の神社で行われるようになりました。なお、制定当時は毎年2月4日に行われていたようです。 (さらに…)

鳥居~神域を隔てる結界~

神社に参拝する際に、一番最初に目にするものが鳥居です。神社の入口に必ず設置されている鳥居は、俗界と神域を隔てるために建てられています。つまり、鳥居の内側が神聖な場所であることを示しているのです。

また、外部から神域に邪気(悪いもの)が入らないようにするための結界でもあります。全面が赤く塗られている鳥居がありますが、古来、赤い色には魔除けの力があるとされていたことによります。

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雅楽~世界最古のオーケストラ~

 

神社の神事や行事、特に神前結婚式の際に演奏される雅楽。一般の方にとっては馴染みの無いものであるかもしれませんが、実は千数百年もの歴史を誇る世界最古のオーケストラといわれております。雅楽はその演奏形態によって「管弦(かんげん)」「舞楽(ぶがく)」「歌謡(かよう)」にわけることができます。

 

管弦は、楽器だけで演奏されるものをいいます。笙・篳篥・龍笛の管楽器、箏(そう)・琵琶の弦楽器、鞨鼓(かっこ)・太鼓・鉦鼓(しょうこ)の打楽器が用いられます。舞楽は音楽に合わせた舞踊のことで、中国起源の唐楽を伴奏に舞う左舞(さまい)、朝鮮半島起源の高麗楽(こまがく)を伴奏に舞う右舞からなります。歌謡は雅楽器の伴奏をつけた声楽のことで、国風歌(くにぶりうた)、催馬楽(さいばら)、朗詠(ろうえい)の3種類があります。

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眷属(けんぞく)~稲荷神社の狐の由来~

神社によっては狛犬を置かず、代わりに別の動物をおいているところがあります。赤坂氷川神社境内にある四合稲荷(しあわせいなり)には、狛犬ではなく狐像が置かれています。この狐は神に仕える動物であると考えられており、そのような動物を総称して「眷属(けんぞく)と呼びます。

 

もともと眷属とは、仏教用語で本来は仏様や菩薩に従う神様のことを指します。眷属が神社に置かれているのは、日本の神様がその姿を人間の前には現さないためです。そこで、神様のご意志を神様に代わって伝えるために、眷属が人々のもとへ派遣されたのです。

 

それらは神話に由来するものもあれば、神社近くの土地に多く生息しているからという理由で指定されたものもあります。眷属は狐の他、奈良県の春日大社の鹿、京都府の北野天満宮の牛、滋賀県の日吉大社の猿、和歌山県の熊野大社の烏など、神社によって実に様々です。

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